e-ism webサイト管理者 (水曜日, 08 2月 2017 12:31)
e-ism佐伯よりご案内した通り、誠に勝手ながら本掲示板は新規投稿の受付を終了させていただきます。 有用な議論があったと思いますので閉鎖はいたしません。 今後、ご質問やご意見等ございましたら「お問い合わせ」よりご連絡いただければ、都度回答させていただきます。 ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。 e-ism三橋
e-ism佐伯 (金曜日, 03 2月 2017 22:28)
175様 イナゴのデータですが、いくつか 三橋淳 著 「世界昆虫食大全」にてp318~322あたりにまとまっています。 当研究会でトノサマバッタのデータも取っておりますが、成長段階でばらつきがあるものの イナゴとだいたい同じものと考えて良さそうです。 未発表データのため、ここに公開することはできません。ご了承ください。 また、この掲示板はメンバーが見逃してしまうことが多いため、 今後は閉鎖し、メールのみのお問い合わせ受付とさせて頂く予定です。ご了承いただければと思います。 佐伯
e-ism佐伯 (金曜日, 03 2月 2017 22:24)
元コオロギ研究者 様 丁寧にご返答ありがとうございました。 昆虫のポテンシャルばかり注目されますが、実装にあたっては昆虫研究者の論文化されていないノウハウがもっと必要になると実感しております。 昆虫の有用性をアピールすることと同時に、生食などの危険な食べ方への警鐘も鳴らしていいころですね。食べ始めるハードルが上がることは、むしろ誠実な印象となると思います。 また研究成果を報告してまいりますので、 何かありましたらお気軽に御連絡くださればと思います。 この掲示板を見逃しておりました。我々の目があまり行き届いていませんので 今後はメールのみの受付になる予定です。ご了承ください。
175 (水曜日, 01 2月 2017 20:01)
e-ism様 お世話になります。 高プロテイン低脂肪ということで、昆虫食を最近知り、興味があり色々調べている所です。 イナゴとトノサマバッタの栄養価の比較をしたいのですが、そのようなデータなどは存在しますでしょうか?又は、各昆虫の栄養価の比較表などはあるのでしょうか? 日英で調べたのですが、包括的な昆虫(イナゴとトノサマバッタ含む)の栄養価の比較表のようなものは見つけられず、ご存じでしたら教えて頂けると大変助かります。 よろしくお願い致します。
元コオロギ研究者 (水曜日, 28 12月 2016 11:57)
e-ism佐伯様 お答えいただきありがとうございます。 ①私自身も昆虫食が普及する可能性は十分あると考えていますので、 そのためにもより良い形で普及させる必要があると思います。 ②ミツバチでは養蜂振興法という基準があることを始めて知りました。 ありがとうございます。大変勉強になります。 昆虫によるアレルギーについてはもっと症例が蓄積されないと特定原材料への指定は難しいかもしれませんね。 安全性の基準と特定原材料の指定のどちらも食品として普及させるためには、当然必要な部分になってくると思いますので普及と共に法整備が必要でしょう。 ③巷に出回る様々な記事を見ていると、昆虫を食べることへの危険性が無視され、あまりにもハードルが下がり過ぎているような気がしていました。 一部では生で食べることを推奨するような記事も見たことがあります。 研究会では提供される際に同意説明されているとのこと、より良い普及のために尽力されていることが分かりました。 一般の方々にも昆虫食の危険性と有用性を理解して頂き普及していくことを強く願っております。 ④食料問題や環境問題を解決する手段として、また生活を豊かにするはずの昆虫食が、本来目指していくべきものから逸脱しないように、理想の将来像を提供・発信していくということですね。 加えて新たなビジネスチャンスでもありますから新たな技術革新と知財の保護も必要と言うことですね。私もそう思います。 私も心理学は専門ではないのですが、昆虫に対する嫌悪感を心理学的側面から解析することは大変意義があるのではと感じます。 食用昆虫科学研究会という会の存在を知り、どうしても質問がしてみたくなり、 まるで子供のような質問をしてしまいました。(笑) ただ、HPを見て、また回答をいただき昆虫食の未来は明るい様な気がしてきました。 そんな未来の為にも我々研究者は有用性や危険性について正確な情報を入手し発信していく必要があると再確認いたしました。 研究会への参加については検討させて頂きます。 機会があれば皆様にお会いし議論させていただくのを楽しみにしております。 最後になりましたがご返答いただき誠にありがとうございました。 元コオロギ研究者
e-ism 佐伯 (月曜日, 26 12月 2016 18:52)
元コオロギ研究者様 コメント、ご質問ありがとうございます。 e-ism佐伯がお答え致します。専門はトノサマバッタの食用飼料用研究です。 ①食品として日本で昆虫が普及する可能性についてどう考えているのか。 可能性は高いと考えています。 昆虫は食品として、食料生産の方法として優れた性質がありますので 将来的に食料生産から昆虫を排除するコストや環境影響が問題になると考えています。 そのため、 日本のみならず、世界的に昆虫食が普及する可能性は十分にあると考えています。 ただ、今後10年以内に普及するか、と言われると、まだ未確定だと思います。 また、一過性のブームで終わるか、定着するか、ブームすら起こらないか、 という部分についてもまだわかりません。 ②昆虫を食品として取り扱う場合の、安全面について基準が必要なのか。 必要だと考えています。 昆虫を養殖するにあたっての安全については ミツバチ(養蜂振興法)以外に基準がないことが問題です。 国が率先してガイドラインを作るべきだと思うのですが、 現状ではEUとスイス、韓国が食用昆虫の安全基準を検討中で、日本ではその様子はありません。 昆虫によるアレルギーの報告はありますし、当研究会の活動の中でも発症がありました。 論文ではエビ・カニと共通するアレルゲン、昆虫独自のアレルゲンも報告されていますので、特定原材料への指定の可能性があります。 消費者庁に問い合わせたところ、医療機関経由、消費者庁経由での、アレルギー症例報告が蓄積しない限り、 特定原材料指定への検討は行われないとのことです。そのため、現状では昆虫食の提供者に大きな責任が生じてしまっています。 ③昆虫を摂取した際に、世界20億人に喫食経験あっても現代の日本人のほとんどが喫食経験が無いが、 喫食経験の無い人を対象にした安全性試験などは必要だと思うか。 必要だと思います。 当研究会では、アレルギーなどのリスクについて説明した上で、同意を得てから提供することにしていますが、 今後は、パッチテストなどの簡易なアレルギー検査があったほうが良いと思います。 ただ、パッチテストだけでは食物アレルギーの実態はわからないのと、喫食経験があっても発症することがあるので、 理解した上で食べ、アレルギーの症状が出た際は医療機関にかかってもらう、という症例がまだまだ多く必要だと思います。 ④昆虫食が普及する際に、一過性のブームとして終わらない為にはどうするべきか。 流行や刺激を求めて食べる方が目立ってしまいがちなので、提供者側は飽きられることを念頭に置く必要が有ると考えています。 また、流行によって採集昆虫が食べつくされてしまったり、昆虫養殖場が環境問題を引き起こしては本末転倒です。 そこで、 単に昆虫を食べる、という部分だけに注目するのではなく、 愛着のある伝統文化である昆虫食の持続可能性を高める 昆虫の利用によって食料生産が最適化された未来のシステムをわかりやすく展示・提案する グルメや美食の新たな素材として昆虫を扱う、というような 将来の自然な形、妥当な形としての昆虫食を中心に提案していく必要があると思っています。 その中で、 昆虫の生産や調理提供に関する新しい技術の革新と、知財の保護も同時に行うべきだと考えています。 また、私の専門ではないのですが、昆虫が嫌い、という昆虫そのものへの嫌悪感と、 昆虫をたべたくない、という食欲との関係を心理学的に解析することも、今後検討しています。 お答えになっていますでしょうか。 追加の質問はお気軽にどうぞ。 元コオロギ研究者とのお話ですので、当研究会へのご参加も歓迎致します。 メンバーの多くは関東在住ですが、メーリングリストでのオンラインのみの参加も可能です。 よろしくお願いいたします 佐伯
元コオロギ研究者 (月曜日, 26 12月 2016 17:15)
e-ismの皆様はじめまして。 大学にいた頃コオロギについて研究していた者です。 今はご縁があって食品メーカーの開発部門で働いております。 FAOの報告書が出た当初は疑っていたのですが、最近よく昆虫食に関する記事出ており、 周りにも興味を持つ人もいるみたいなのでビジネスのチャンスがあるのではと注目しております。 しかし、昆虫食をこれから考えていくには安全面の検討も調理法と併せてもっと必要だと思います。 また、飽食である日本(実際には飢餓や栄養失調で死亡する人もいる)を市場とするならば、 基本的な栄養素や機能的な成分など、どちらを訴求していくにしてもエビデンスベースで 展開する必要がありますのでさらなる研究が必要だと思います。 そこで、この度はそんな中で沸いた疑問の中から4つ程質問なのですが、 ①食品として日本で昆虫が普及する可能性についてどう考えているのか。 ②昆虫を食品として取り扱う場合の、安全面について基準が必要なのか。 ③昆虫を摂取した際に、世界20億人に喫食経験あっても現代の日本人のほとんどが喫食経験が無いが、 喫食経験の無い人を対象にした安全性試験などは必要だと思うか。 ④昆虫食が普及する際に、一過性のブームとして終わらない為にはどうするべきか。 以上の点につきましてお考えをお聞かせいただきたく存じます。 質問が多く、加えて抽象的で答えにくい内容で申し訳ございません。 個々で様々な考えがありますので、研究会からの回答ではなく回答者様の考えとして、 認識いたしますので、是非お考えをお聞かせいただければと存じます。 本来ならば実際に皆様にお会いし議論させて頂きたいような内容なのですが、 なかなか都合が付かず、失礼かと思いましたがこちらの掲示板を利用させて頂きました。 どうぞ宜しくお願い申し上げます。
コオロギ次郎 (火曜日, 04 10月 2016 16:40)
素早い回答ありがとうございます!論文を調べたり勉強したりしてうまく知識をつけられるように頑張ります!
e-ism佐伯 (火曜日, 04 10月 2016 16:37)
コオロギ次郎様 ご質問ありがとうございます。 ミールワーム飼育、コオロギ飼育の資料ですが、食用昆虫養殖の効率を調べる論文に書いてあることがあります。http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0014445 ここのDIETの部分です。 ですが、これがベストかどうかは、まだ分かりませんし、いずれも生き餌用昆虫として、市場がありますので、養殖業を既に営んでいる人は独自の養殖方法や、餌の配合をもっているそうですが、 企業秘密になっています。 日本語文献ですと、「研究者が教える動物飼育 第二巻」が参考になります。 http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320057197 また、昆虫のことをしっかり学ぶことは大変良いことだと思います。 同時に、巷にある昆虫と食糧問題を結びつけるような報道は、あまりいい議論でないことが多いです。 食糧問題は、社会問題ですので、文系理系の枠に収まらずに勉強し、 実際に起こっている問題について、昆虫導入の是非を議論できるようになることが大切だと痛感しています。お答えになっているでしょうか。 私も人生に迷いまくっていますので、人生相談でも構いません 笑 また気軽にお聞きください。 佐伯
コオロギ次郎 (月曜日, 03 10月 2016 22:14)
理系の大学2年生です。将来、食用昆虫を生産する企業を日本で起業することを考えています。まだ科学や起業に関する知識はありません。 昆虫を扱う研究室に入って昆虫のことをしっかり学んでから科学的なアプローチをする方針にしたいです。 今回は2つ質問があります。 昆虫農場を作るにあたって、一般的な起業でなく専門的に学ぶための資料は外国の大学などで公開されているでしょうか。(昆虫食だけではなく、例えばミルワーム大量飼育の資料など) また他にも今のうちに学んでおいたほうがいいことは何かあるでしょうか。 残念ながら現在は昆虫を飼育できる環境にないので自分で育てて飼育することができません。 人生相談のような内容で申し訳ありませんがよろしくお願いします。
e-ism三橋 (土曜日, 12 12月 2015 15:58)
酒虫さん お返事が大変遅くなりまして申し訳ございません。 私どもの知る限り、醸造のための原料として昆虫を使用している事例はありません。 その理由の一つとして、昆虫は一般的に糖質が少ないことが挙げられます。 醸造は酵母によって糖がアルコールに変化するプロセスですので、昆虫を醸造用の原料とした酒類は存在しないと考えております。 余談ですが、"発酵"という観点では納豆菌や麹菌を昆虫に作用させ、たんぱく質を分解することは可能です。 実際に蚕さなぎで納豆を作ったこともあります。 参考にしていただければ幸いです。
酒虫 (水曜日, 27 5月 2015 17:56)
お酒の発酵原料として昆虫を使ってる例はありますか? 虫原料のお酒を探しているのですが、漬け込んだり、抽出しているだけのものばかりでピンときません。
e-ism水野 (木曜日, 02 10月 2014 22:19)
お問い合わせありがとうございます。干すことによって水分が抜けるわけですから、体重あたりの栄養価は増加する、ということではないかと考えられます。昆虫に限らず、人間も水分は体重の60%程度を占めています。 英文の出展や言及箇所を画像等で教えて頂けるともっと詳しくお話ができるかもしれません。
セミ (木曜日, 02 10月 2014 19:11)
私は高校3年生です。最近学校のリーディングの授業で昆虫食のメリットについての英文を読みました。そこには、昆虫は干すと栄養が60%増える、というようなことが書いてあったのですが、理由は書いてありませんでした。とても気になるので教えていただけると嬉しいです。
匿名希望 (火曜日, 24 6月 2014 14:08)
既得権益を守ることでしか生き残ることのできない学会。残念ですね。
e-ism佐伯 (水曜日, 04 12月 2013 07:31)
書き込み有り難うございます! e-ism佐伯です。 仰るとおり、 「昆虫食の概念を復活させる」ということがおそらく最も難しいことだと思います。 ただ、FAO報告書の主な著者はオランダの研究グループですので 欧米でもサイエンティストの間で昆虫食の再導入が検討されてきそうです。 そのためには 「科学的なエビデンスを持つ」ことは大前提として必要ですね。 その次に「一般に普及させる」ことが、机上の空論で終わらせない重要な課題になりそうです。 私のイメージでは 「文化的な価値付け」をきちんとする必要が有ると思います。 過去と現在では昆虫に対する印象が異なるので、それを踏まえた上で 現在の社会に沿う形で価値を提案できれば、と思います。 日本は科学的な根拠から昆虫食を楽しむ方と 文化的なノスタルジックな思いから昆虫を食べたいという方 そしてアングラな雰囲気が好きで食べる方と 多様な楽しみ方が混在していると感じています。 その中から新たな文化的価値を模索したいですね。 コメントありがとうございました。
S.M (月曜日, 02 12月 2013 22:01)
大学で次世代のタンパク源としての昆虫について思いを巡らせている大学4年生です。 FAOの報告書にもありましたが今後昆虫食(飼料としても)は食糧問題の重要なキーワードになってくると確信しています。 しかしその昔は当たり前だった昆虫食も現在では特産品やゲテモノ食いの対象でしかない気がします。 この飽食の時代である日本でどのように昆虫食の概念を復活させるか悩ましいことろです…
e-ism webサイト管理者 (水曜日, 08 2月 2017 12:31)
e-ism佐伯よりご案内した通り、誠に勝手ながら本掲示板は新規投稿の受付を終了させていただきます。
有用な議論があったと思いますので閉鎖はいたしません。
今後、ご質問やご意見等ございましたら「お問い合わせ」よりご連絡いただければ、都度回答させていただきます。
ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
e-ism三橋
e-ism佐伯 (金曜日, 03 2月 2017 22:28)
175様 イナゴのデータですが、いくつか
三橋淳 著 「世界昆虫食大全」にてp318~322あたりにまとまっています。
当研究会でトノサマバッタのデータも取っておりますが、成長段階でばらつきがあるものの
イナゴとだいたい同じものと考えて良さそうです。
未発表データのため、ここに公開することはできません。ご了承ください。
また、この掲示板はメンバーが見逃してしまうことが多いため、
今後は閉鎖し、メールのみのお問い合わせ受付とさせて頂く予定です。ご了承いただければと思います。
佐伯
e-ism佐伯 (金曜日, 03 2月 2017 22:24)
元コオロギ研究者 様
丁寧にご返答ありがとうございました。
昆虫のポテンシャルばかり注目されますが、実装にあたっては昆虫研究者の論文化されていないノウハウがもっと必要になると実感しております。
昆虫の有用性をアピールすることと同時に、生食などの危険な食べ方への警鐘も鳴らしていいころですね。食べ始めるハードルが上がることは、むしろ誠実な印象となると思います。
また研究成果を報告してまいりますので、 何かありましたらお気軽に御連絡くださればと思います。
この掲示板を見逃しておりました。我々の目があまり行き届いていませんので
今後はメールのみの受付になる予定です。ご了承ください。
175 (水曜日, 01 2月 2017 20:01)
e-ism様
お世話になります。
高プロテイン低脂肪ということで、昆虫食を最近知り、興味があり色々調べている所です。
イナゴとトノサマバッタの栄養価の比較をしたいのですが、そのようなデータなどは存在しますでしょうか?又は、各昆虫の栄養価の比較表などはあるのでしょうか?
日英で調べたのですが、包括的な昆虫(イナゴとトノサマバッタ含む)の栄養価の比較表のようなものは見つけられず、ご存じでしたら教えて頂けると大変助かります。
よろしくお願い致します。
元コオロギ研究者 (水曜日, 28 12月 2016 11:57)
e-ism佐伯様
お答えいただきありがとうございます。
①私自身も昆虫食が普及する可能性は十分あると考えていますので、
そのためにもより良い形で普及させる必要があると思います。
②ミツバチでは養蜂振興法という基準があることを始めて知りました。
ありがとうございます。大変勉強になります。
昆虫によるアレルギーについてはもっと症例が蓄積されないと特定原材料への指定は難しいかもしれませんね。
安全性の基準と特定原材料の指定のどちらも食品として普及させるためには、当然必要な部分になってくると思いますので普及と共に法整備が必要でしょう。
③巷に出回る様々な記事を見ていると、昆虫を食べることへの危険性が無視され、あまりにもハードルが下がり過ぎているような気がしていました。
一部では生で食べることを推奨するような記事も見たことがあります。
研究会では提供される際に同意説明されているとのこと、より良い普及のために尽力されていることが分かりました。
一般の方々にも昆虫食の危険性と有用性を理解して頂き普及していくことを強く願っております。
④食料問題や環境問題を解決する手段として、また生活を豊かにするはずの昆虫食が、本来目指していくべきものから逸脱しないように、理想の将来像を提供・発信していくということですね。
加えて新たなビジネスチャンスでもありますから新たな技術革新と知財の保護も必要と言うことですね。私もそう思います。
私も心理学は専門ではないのですが、昆虫に対する嫌悪感を心理学的側面から解析することは大変意義があるのではと感じます。
食用昆虫科学研究会という会の存在を知り、どうしても質問がしてみたくなり、
まるで子供のような質問をしてしまいました。(笑)
ただ、HPを見て、また回答をいただき昆虫食の未来は明るい様な気がしてきました。
そんな未来の為にも我々研究者は有用性や危険性について正確な情報を入手し発信していく必要があると再確認いたしました。
研究会への参加については検討させて頂きます。
機会があれば皆様にお会いし議論させていただくのを楽しみにしております。
最後になりましたがご返答いただき誠にありがとうございました。
元コオロギ研究者
e-ism 佐伯 (月曜日, 26 12月 2016 18:52)
元コオロギ研究者様
コメント、ご質問ありがとうございます。
e-ism佐伯がお答え致します。専門はトノサマバッタの食用飼料用研究です。
①食品として日本で昆虫が普及する可能性についてどう考えているのか。
可能性は高いと考えています。
昆虫は食品として、食料生産の方法として優れた性質がありますので
将来的に食料生産から昆虫を排除するコストや環境影響が問題になると考えています。
そのため、
日本のみならず、世界的に昆虫食が普及する可能性は十分にあると考えています。
ただ、今後10年以内に普及するか、と言われると、まだ未確定だと思います。
また、一過性のブームで終わるか、定着するか、ブームすら起こらないか、
という部分についてもまだわかりません。
②昆虫を食品として取り扱う場合の、安全面について基準が必要なのか。
必要だと考えています。
昆虫を養殖するにあたっての安全については
ミツバチ(養蜂振興法)以外に基準がないことが問題です。
国が率先してガイドラインを作るべきだと思うのですが、
現状ではEUとスイス、韓国が食用昆虫の安全基準を検討中で、日本ではその様子はありません。
昆虫によるアレルギーの報告はありますし、当研究会の活動の中でも発症がありました。
論文ではエビ・カニと共通するアレルゲン、昆虫独自のアレルゲンも報告されていますので、特定原材料への指定の可能性があります。
消費者庁に問い合わせたところ、医療機関経由、消費者庁経由での、アレルギー症例報告が蓄積しない限り、
特定原材料指定への検討は行われないとのことです。そのため、現状では昆虫食の提供者に大きな責任が生じてしまっています。
③昆虫を摂取した際に、世界20億人に喫食経験あっても現代の日本人のほとんどが喫食経験が無いが、
喫食経験の無い人を対象にした安全性試験などは必要だと思うか。
必要だと思います。
当研究会では、アレルギーなどのリスクについて説明した上で、同意を得てから提供することにしていますが、
今後は、パッチテストなどの簡易なアレルギー検査があったほうが良いと思います。
ただ、パッチテストだけでは食物アレルギーの実態はわからないのと、喫食経験があっても発症することがあるので、
理解した上で食べ、アレルギーの症状が出た際は医療機関にかかってもらう、という症例がまだまだ多く必要だと思います。
④昆虫食が普及する際に、一過性のブームとして終わらない為にはどうするべきか。
流行や刺激を求めて食べる方が目立ってしまいがちなので、提供者側は飽きられることを念頭に置く必要が有ると考えています。
また、流行によって採集昆虫が食べつくされてしまったり、昆虫養殖場が環境問題を引き起こしては本末転倒です。
そこで、
単に昆虫を食べる、という部分だけに注目するのではなく、
愛着のある伝統文化である昆虫食の持続可能性を高める
昆虫の利用によって食料生産が最適化された未来のシステムをわかりやすく展示・提案する
グルメや美食の新たな素材として昆虫を扱う、というような
将来の自然な形、妥当な形としての昆虫食を中心に提案していく必要があると思っています。
その中で、
昆虫の生産や調理提供に関する新しい技術の革新と、知財の保護も同時に行うべきだと考えています。
また、私の専門ではないのですが、昆虫が嫌い、という昆虫そのものへの嫌悪感と、
昆虫をたべたくない、という食欲との関係を心理学的に解析することも、今後検討しています。
お答えになっていますでしょうか。
追加の質問はお気軽にどうぞ。
元コオロギ研究者とのお話ですので、当研究会へのご参加も歓迎致します。
メンバーの多くは関東在住ですが、メーリングリストでのオンラインのみの参加も可能です。
よろしくお願いいたします 佐伯
元コオロギ研究者 (月曜日, 26 12月 2016 17:15)
e-ismの皆様はじめまして。
大学にいた頃コオロギについて研究していた者です。
今はご縁があって食品メーカーの開発部門で働いております。
FAOの報告書が出た当初は疑っていたのですが、最近よく昆虫食に関する記事出ており、
周りにも興味を持つ人もいるみたいなのでビジネスのチャンスがあるのではと注目しております。
しかし、昆虫食をこれから考えていくには安全面の検討も調理法と併せてもっと必要だと思います。
また、飽食である日本(実際には飢餓や栄養失調で死亡する人もいる)を市場とするならば、
基本的な栄養素や機能的な成分など、どちらを訴求していくにしてもエビデンスベースで
展開する必要がありますのでさらなる研究が必要だと思います。
そこで、この度はそんな中で沸いた疑問の中から4つ程質問なのですが、
①食品として日本で昆虫が普及する可能性についてどう考えているのか。
②昆虫を食品として取り扱う場合の、安全面について基準が必要なのか。
③昆虫を摂取した際に、世界20億人に喫食経験あっても現代の日本人のほとんどが喫食経験が無いが、
喫食経験の無い人を対象にした安全性試験などは必要だと思うか。
④昆虫食が普及する際に、一過性のブームとして終わらない為にはどうするべきか。
以上の点につきましてお考えをお聞かせいただきたく存じます。
質問が多く、加えて抽象的で答えにくい内容で申し訳ございません。
個々で様々な考えがありますので、研究会からの回答ではなく回答者様の考えとして、
認識いたしますので、是非お考えをお聞かせいただければと存じます。
本来ならば実際に皆様にお会いし議論させて頂きたいような内容なのですが、
なかなか都合が付かず、失礼かと思いましたがこちらの掲示板を利用させて頂きました。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
コオロギ次郎 (火曜日, 04 10月 2016 16:40)
素早い回答ありがとうございます!論文を調べたり勉強したりしてうまく知識をつけられるように頑張ります!
e-ism佐伯 (火曜日, 04 10月 2016 16:37)
コオロギ次郎様
ご質問ありがとうございます。
ミールワーム飼育、コオロギ飼育の資料ですが、食用昆虫養殖の効率を調べる論文に書いてあることがあります。http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0014445
ここのDIETの部分です。
ですが、これがベストかどうかは、まだ分かりませんし、いずれも生き餌用昆虫として、市場がありますので、養殖業を既に営んでいる人は独自の養殖方法や、餌の配合をもっているそうですが、
企業秘密になっています。
日本語文献ですと、「研究者が教える動物飼育 第二巻」が参考になります。
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320057197
また、昆虫のことをしっかり学ぶことは大変良いことだと思います。
同時に、巷にある昆虫と食糧問題を結びつけるような報道は、あまりいい議論でないことが多いです。
食糧問題は、社会問題ですので、文系理系の枠に収まらずに勉強し、
実際に起こっている問題について、昆虫導入の是非を議論できるようになることが大切だと痛感しています。お答えになっているでしょうか。
私も人生に迷いまくっていますので、人生相談でも構いません 笑 また気軽にお聞きください。
佐伯
コオロギ次郎 (月曜日, 03 10月 2016 22:14)
理系の大学2年生です。将来、食用昆虫を生産する企業を日本で起業することを考えています。まだ科学や起業に関する知識はありません。
昆虫を扱う研究室に入って昆虫のことをしっかり学んでから科学的なアプローチをする方針にしたいです。
今回は2つ質問があります。
昆虫農場を作るにあたって、一般的な起業でなく専門的に学ぶための資料は外国の大学などで公開されているでしょうか。(昆虫食だけではなく、例えばミルワーム大量飼育の資料など)
また他にも今のうちに学んでおいたほうがいいことは何かあるでしょうか。
残念ながら現在は昆虫を飼育できる環境にないので自分で育てて飼育することができません。
人生相談のような内容で申し訳ありませんがよろしくお願いします。
e-ism三橋 (土曜日, 12 12月 2015 15:58)
酒虫さん
お返事が大変遅くなりまして申し訳ございません。
私どもの知る限り、醸造のための原料として昆虫を使用している事例はありません。
その理由の一つとして、昆虫は一般的に糖質が少ないことが挙げられます。
醸造は酵母によって糖がアルコールに変化するプロセスですので、昆虫を醸造用の原料とした酒類は存在しないと考えております。
余談ですが、"発酵"という観点では納豆菌や麹菌を昆虫に作用させ、たんぱく質を分解することは可能です。
実際に蚕さなぎで納豆を作ったこともあります。
参考にしていただければ幸いです。
酒虫 (水曜日, 27 5月 2015 17:56)
お酒の発酵原料として昆虫を使ってる例はありますか?
虫原料のお酒を探しているのですが、漬け込んだり、抽出しているだけのものばかりでピンときません。
e-ism水野 (木曜日, 02 10月 2014 22:19)
お問い合わせありがとうございます。干すことによって水分が抜けるわけですから、体重あたりの栄養価は増加する、ということではないかと考えられます。昆虫に限らず、人間も水分は体重の60%程度を占めています。
英文の出展や言及箇所を画像等で教えて頂けるともっと詳しくお話ができるかもしれません。
セミ (木曜日, 02 10月 2014 19:11)
私は高校3年生です。最近学校のリーディングの授業で昆虫食のメリットについての英文を読みました。そこには、昆虫は干すと栄養が60%増える、というようなことが書いてあったのですが、理由は書いてありませんでした。とても気になるので教えていただけると嬉しいです。
匿名希望 (火曜日, 24 6月 2014 14:08)
既得権益を守ることでしか生き残ることのできない学会。残念ですね。
e-ism佐伯 (水曜日, 04 12月 2013 07:31)
書き込み有り難うございます! e-ism佐伯です。
仰るとおり、
「昆虫食の概念を復活させる」ということがおそらく最も難しいことだと思います。
ただ、FAO報告書の主な著者はオランダの研究グループですので
欧米でもサイエンティストの間で昆虫食の再導入が検討されてきそうです。
そのためには
「科学的なエビデンスを持つ」ことは大前提として必要ですね。
その次に「一般に普及させる」ことが、机上の空論で終わらせない重要な課題になりそうです。
私のイメージでは
「文化的な価値付け」をきちんとする必要が有ると思います。
過去と現在では昆虫に対する印象が異なるので、それを踏まえた上で
現在の社会に沿う形で価値を提案できれば、と思います。
日本は科学的な根拠から昆虫食を楽しむ方と
文化的なノスタルジックな思いから昆虫を食べたいという方
そしてアングラな雰囲気が好きで食べる方と
多様な楽しみ方が混在していると感じています。
その中から新たな文化的価値を模索したいですね。
コメントありがとうございました。
S.M (月曜日, 02 12月 2013 22:01)
大学で次世代のタンパク源としての昆虫について思いを巡らせている大学4年生です。
FAOの報告書にもありましたが今後昆虫食(飼料としても)は食糧問題の重要なキーワードになってくると確信しています。
しかしその昔は当たり前だった昆虫食も現在では特産品やゲテモノ食いの対象でしかない気がします。
この飽食の時代である日本でどのように昆虫食の概念を復活させるか悩ましいことろです…